パッチテスト
最近金属アレルギーの方が増えています。
ネックレスやピアスなどのアクセサリー、ベルトのバックルやGパンの金属ボタンなどの部分が赤くなり、水疱ができたりただれてかゆみを伴ったりします。
また、化粧品に含まれる金属で顔がただれたり、歯科治療に使われる金属、食品中の微量な金属でも全身や手のひら、足の裏などにさまざまな症状が出ます。ひどくなると、コインや鍵などでも症状が出るので日常生活に支障が出てしまいます。
手のひら、足の裏に膿を持ったようなぶつぶつができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)も金属との関係が深い疾患の一つで、かなり難治性の病気です。
当院では金属を溶かしてイオン化した溶液を背中や腕などに48時間貼ってどの金属に反応するかをみる金属パッチテストを行い、原因となる金属を調べ、化粧品、食事や調理器具のアドバイスを行ったり、歯科との連携で原因と疑われる金属の除去を指導しております。
金属アレルギーの症状は様々です。まず診察を受けていただき、必要があればパッチテストをお受けいただくことをお勧めしております。
毛染めやゴムのアレルギー>接触皮フ炎
毛染めや日常的に使用するゴム手袋などでのアレルギーも良くみられる症状です。
当院では、サトウ製薬のパッチパネルを用いて日常生活にかくれた気づきにくい、かぶれの原因をさぐる検査を行っています。
かぶれを起こす原因が見つかれば治療につながり、長年治らなかった全身の「かゆみ」が治った例もあります。
ぜひご相談ください。
小児皮膚科
一口に子供といっても、新生児、乳幼児、幼稚園児、小学生、中高生と成長していくにつれ、皮膚のようすはどんどん変わってゆきます。
また、一人のお子さんでも体調や、季節によっても皮膚の状態は違います。
皮膚のバリア機能の弱い小児はスキンケアがとても大切です。
石鹸・シャンプーの選び方や使い方、入浴の仕方、食事や衣類など、普段何気なく行っていることでかえって皮膚の状態を悪くすることもあります。
保湿剤や治療のための薬の塗り方なども含め、当院ではお一人お一人に細かくご指導を行っています。
お子様に多い皮膚疾患
①おむつかぶれ
便や尿に含まれる刺激物質で、おむつの当たるところに赤い発疹ができたりただれたり出血するjことがよくあります。
ティッシュで服だけでも痛みを伴うことがあるので洗面器にお湯を貼って洗ってあげてください。通常は亜鉛華軟膏や弱いステロイドなどを用いて治療しますが、カンジダというカビの一種が原因のこともあるのでなるべく早く受診してください。
②乳児脂漏性皮膚炎
生後間もないお子様の頭皮や顔、わきの下やまたなどに赤いカサカサ、またはじっとりとした湿疹ができることがあります。
人の毛包脂腺系に常在するマラセチア菌というカビが関係していると考えられており、乳児期にはよく見られるもので、多くは生後6か月くらいで自然におさまってきますが、きちんとケアをしないとひどくなって化膿したりすることもあり、また乳児アトピー性皮膚炎との鑑別も必要です。なるべく早く皮膚科を受診してください。
③小児アトピー性皮膚炎
乳児期
主に顔面のじくじくした湿疹が特徴でかゆみで顔をこすりつけたりします。そのうち首や体などにも湿疹が拡大しかゆみで夜も熟睡しないなどの症状がみられることがあります。アトピー性皮膚炎のお子様にミルクや卵などの食物アレルギーが合併することもあります。当院では子育て経験豊富なママさん医師や看護師が離乳食の進め方からスキンケアまで様々なお悩みに対応しています。
幼児から小学生
乾燥症状が特徴。腕や足の関節部分にかゆみが強くなり、掻き壊すようになります。皮膚のバリア機能が弱いので、虫刺されなどの掻き壊しからとびひになったり、水いぼなどの感染も起こしやすくなります。
中学生から高校生
皮膚は乾燥し、慢性的に皮膚を書くことで皮膚が硬くなってごわごわになったり、顔面のかゆみで白内障を併発するような重症のアトピーのかたも以前は見受けられましたが、現在ではアトピー性皮膚炎の治療はかなり進歩しています。
ステロイド外用剤、保湿剤、抗アレルギー内服薬などのほかにタクロリムス外用約、コレクチム外用薬、モイゼルト外用薬、リンヴォック内服薬、デュピクセント注射薬など様々な治療法を駆使して、肌を良い状態に保つことが可能になってきています。中高生はニキビとの合併もあり、早めにご相談ください。
④いぼ(尋常性疣贅)
ヒトパピローマウイルスによる感染症で、足の裏や手などが好発部位です。目に見えない小さな傷からウイルスが入り込み感染するので特に昨今プールに通っているお子様が多いので足底のいぼが多いように見受けられます。
治療は液体窒素を綿棒で患部に押し当てて凍らせる凍結療法が主体となります。ハト麦エキスのヨクイニンという漢方やビタミンD3外用薬、スピール膏、グルタルアルデヒド(保険外)などを組み合わせて治療を行います。
振動麻酔の機械を用いて患者さんの痛みをなるべく少なく治療しています。
⑤水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼは伝染性軟属腫ウイルスというウイルス感染によって起こります。わきの下、腕の内側、陰部など、体の柔らかいところに感染しやすく、掻いたりして水いぼが崩れるとまたそこから感染が広がります。掻き壊してとびひになってしまうことがあり、数が少ないうちの摘除をお勧めしています。
当院ではペンレステープという局所麻酔のテープを貼ってあらかじめ痛みを少なくしてからピンセットで1個ずつとっていますが、どうしても摘除を嫌がるお子様にはAgクリームという銀配合のクリームを塗って自然に水いぼが消えていくのを待つ治療もご提案しています。
⑥じんましん
じんましんは、みみずばれや虫刺されのような赤く膨らんだ膨疹といわれる皮疹が出現し、かゆみを伴い数10分から長くて数時間で収まるのが特徴です。
じんましんの原因にはアレルギー性のものと非アレルギー性のものがあります。
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどを持っている際にはじんましんは出やすく症状も悪化しやすい傾向にあります。
一方非アレルギー性のじんましんは摩擦や圧迫、温熱や寒冷刺激、疲れ、ストレスなどで出てしまうことがあります。
じんましんは長引くと慢性化してしまいとても治りにくくなるので早めに受診して治療をお受けください。
アレルギー性じんましんが疑われる場合はアレルギーの血液検査もしています。食物アレルギーなどとの関連が疑われる場合は近隣の大きな病院の小児科をご紹介しています。
治療は主に抗アレルギー剤の内服治療を行っています。